FXと高金利通貨について考える

FXの簡単な説明

ご存じの方も多いと思いますが、FXとは為替証拠金取引です。Foreign eXchangeの略ですね。一定額の証拠金と呼ばれる保証金を預けて通貨の差金決済を行うことです。現金ではなく証拠金を用いることで、取引する金額の額面よりも遙かに少ない金額で取引を行うことができます。

一般的なFXの使われ方

これは何がいいかといいますと、少ない元手で大きな金額を動かすことができるため、本人の才覚次第で大きな利益を上げることができます。20倍程度の倍率(つまり証拠金が額面の20分の1で済む)で取引を行う場合、10万円の証拠金で200万円分の取引が行えます。200万円の取引で1%の利益が出せると2万円の利益になります。(説明を簡単にするため手数料、税金等は省いて計算します)10万円の元手に対して2万円の利益なので利益率は20%です。ドル円の取引でいえば1%というのは1円程度の値幅をとることになります。1円の値幅をとる期間が1年なら1年で20%を稼いだことになりますし、半年で1円の値幅をとれば年率換算したパフォーマンスは40%になります。1ヶ月で1円の値幅が取れれば、年率換算したパフォーマンスは240%となります。

と、ここまで書くと素晴らしい取引に思えるかもしれませんが、すべて”勝った”場合の話です。負けたらこの逆になります。大抵勝った話ばかりで負けた話は書かれませんのでこの辺は注意が必要だと思います。

金利獲得手段としてのFX

相場の上げ下げを予想するのは一般的には難しいです。一般的と書いたのは、ある種の人間はこの予想が肌感覚でできるようで、うまく波に乗って財を築けるようです。ですが、一般人には難しいので、別な方法を考えます。

日本は低金利ですが、世界には高金利の国がたくさんあります。例えば南アランド/円(ZARJPY)の場合、2018年7月14日時点で1日あたり150円のスワップポイントがつくそうです。(くりっく365の場合)この数値は10万通貨あたりです。スワップポイントとは金利のようなもので高金利通貨を買うともらえます。逆に高金利通貨を売ると支払わないといけなくなります。

さて、この終値はZARJPY=8.475円なので、10万通貨では847,500円が額面になります。しかし取引に必要な証拠金は、32,430円になります。額面に対してほぼ25分の1つまり4%で済みます。

1ヶ月間南アランド円を保有した場合のシミュレーションを行ってみます。スワップポイントは日々変わるのですが、ここでは簡単のために1ヶ月間固定としてみます。1ヶ月は30日として計算するとスワップポイントによる収入は4,500円となります。この収入を得るための最低資金は32,430円なので、投入資金に対する収益は13.87%となります。1ヶ月でこれだけの収入が得られます。単純に12倍して年換算すると166%になります。投下資金が1年で2.6倍になるといっています。

こんなにいいパフォーマンスが出るのはFXがレバレッジの効いた取引だからです。額面の金額で取引をしていたら月あたり0.53%の収益。年率換算でも6.3%にしかなりません。

金利と価格変動

こんなにいい数値が出るなら高金利通貨をFXで買いっぱなしにしたらいいのではないかと思うのですが、それもこれも価格が変わらないというのが大前提です。せっかくのスワップポイントもか価格変動で消えてしまっては元も子もないためです。

下のグラフはくりっく365のウェブサイトから引用した日足のチャートです。

直近で上がっていますが、それまでは下げ基調です。ZARJPY=9.2円程度から直近8.5円まで回復していますが10万通貨単位なので、この時点でも7万円の含み損を抱えています。証拠金が吹き飛んで追い証を払って退場するか、十分な証拠金を入れておいてパフォーマンスを下げるかどちらかしかありません。仮に5倍程度のレバレッジでとどめていたとすると書庫金は162,150円入れておく必要があります。パフォーマンスも月2.77%まで低下します。

こちらは同じくくりっく365のウェブサイトから引用した月足チャートです。

長期的には下げ基調であることがわかると思います。ずっと保持していたら、スワップポイントを遙かに上回る評価損を抱えていることになっているかもしれません。

高金利通貨を使った金利収入はだめなのか?

私もそうですが、定期的な不労収入というのは憧れている人が多いと思います。その手段にはいろいろありますが、ここで紹介した高金利通貨を用いたスワップポイントによる金利収入もその1つだと思います。しかし、ちょっと見た感じではうまくいきそうにありません。なぜなのでしょうか?

高金利には訳がある

なぜ高い金利を払うのでしょうか?”払ってくれるのでしょうか”といった方がいいかもしれません。売り手には金利を払う理由があるからです。

それは通貨が下落するからです。

金利が高い国=高インフレな国です。日本は長くデフレで忘れてしまっていますが、世界はまだまだインフレの国がたくさんあります。インフレというのはものの価格が上がることです。ものの価格が上がるというのは裏返しとしてお金の価値が下がることを忌みます。今日100円で買えたものが明日は110円になったとします。もの自体は何も変わりません。しかし値段が上がるということは相対的にお金の価値が下がることを意味します。

そういう国の通貨は原理的に低下することになります。そうなると誰もその通貨を欲しがらなくなります。そのため金利というおまけをつける訳です。理論的にはこの金利はインフレ率と同じくらいになります。よって、短期的にはどちらかに偏ることはない状態になります。

先ほどの例でいえば、今日100円で売っているものと今日の100円が同じ価値になるように金利がつきます。この例なら金利は1日で10%となります。その結果明日のものの価値は110円。額面100円は10円の金利がついて110円の価値になっています。

こんな感じでバランスをとるように金利はついているので、単純に高金利だからといって飛びつくのは注意した方ががいいと思います。物価上昇による価値の下落を加味すると金利収入はそれほどおいしくありません。その上価格変動の影響を受けますので、かなりリスキーかもしれません。

まとめると

FXと高金利通貨を使った金利収入で不労所得を得ようとかいう考えは考え直した方がいいかもしれません。FXはトレーディングによる売買益を狙うために使った方が効果的のようです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする